2021.01.25

「日経Smart Work大賞2021」大賞にトヨタ自動車

働き方改革を通じて生産性を高め、持続的に成長する先進企業を表彰する「日経Smart Work大賞2021」は、トヨタ自動車が大賞に決まりました。

 同賞は全上場企業、有力非上場企業を対象に実施した「日経Smart Work経営調査」の結果に基づき、外部審査委員会(委員長、清家篤日本私立学校振興・共済事業団理事長)が人材活用に向けた取り組みやイノベーション力、市場開拓力などを総合的に審査して、次世代をリードするエクセレント・カンパニーとして選出しています。

 今回、審査委員特別賞には富士フイルムホールディングス、AGCの2社が、人材活用力部門にはアフラック生命保険、イノベーション力部門はダイキン工業、市場開拓力部門は楽天、テクノロジー活用部門はソフトバンクがそれぞれ選ばれました。授賞理由は以下の通りです。また、今回から連続して受賞する企業を「日経スマートワーク大賞 殿堂入り」企業として評価することにしました。審査の結果、サントリーホールディングスが選ばれました。

トヨタ自動車株式会社

日経Smart Work大賞2021 大賞

(授賞理由)
 総合ランキングは最高ランクとなる5つ星(偏差値70以上)を獲得。評価軸の3つの部門のうち「イノベーション力」「市場開拓力」は最高水準の「S++」。「人材活用力」は「S+」にとどまったものの3部門とも突出して高い評価項目が多かった。
 イノベーション力としては、ベンチャー企業や研究機関などとの共同開発に積極的で社外の専門人材との交流の多さが際立っている。市場開拓力ではいち早く始めた車のサブスクリプション(定額課金)サービス「KINTO」が急成長し、他社も追随して新市場を創出した。人材活用力は社員の労働時間の評価がやや低かったが、外国人役員・管理職を積極的に登用してダイバーシティは高評価。事務職業務にも大規模なRPAの導入を進め、ホワイトカラーの生産性を向上させた。

富士フイルムホールディングス株式会社

日経Smart Work大賞2021 審査委員特別賞

(授賞理由)
 総合ランキングは最高ランクとなる5つ星(偏差値70以上)を獲得。評価軸となる3部門の中では「イノベーション力」「市場開拓力」が最高水準の「S++」。第1回調査から4年連続で総合ランキングの5つ星を安定的に得ていることが評価された。
 写真フィルム市場の消失という環境変化に大胆な事業構造の転換で適応。フィルム事業で培った技術を転用してヘルスケアや半導体材料事業など新領域への進出に成功し、コロナ禍に見舞われた今期もバイオ医薬品の開発・製造受託事業が好調で成長を続けている。日米欧のオープンイノベーション拠点で外部人材と積極的に連携し、新事業創出に力を入れる風土にも注目が集まって審査委員特別賞となった。

AGC株式会社

日経Smart Work大賞2021 審査委員特別賞

(授賞理由)
 総合ランキングは4つ星半(偏差値65以上70未満)を獲得し、前回調査の3つ星半(同55以上60未満)から大きくランクアップしたのが評価された。評価軸となる3部門ともスコアを上げ、とりわけ「イノベーション力」は新事業創出の取り組みなどの評価スコアが飛躍的に高まった。
 社員同士が部門を超えて組織横断的に交流する活動を推進。社員が自発的に行動し、現場からイノベーションが生まれやすい環境づくりに注力している。RPAの導入による業務の自動化で労働時間を削減し、在宅勤務も社員への費用補助などで積極的に促進している点も評価された。医薬品など新規事業の成長で収益構造の転換も進み、審査委員特別賞に決まった。

アフラック生命保険株式会社

日経Smart Work大賞2021 人材活用力部門

(授賞理由)
 総合ランキングは4つ星半(偏差値65以上70未満)だが、評価軸3部門のうち「人材活用力」では最高水準の「S++」を獲得した。同部門では多数の評価項目でトップクラスのスコアを上げているのが評価され、授賞が決まった。「イノベーション力」は「A+」、市場開拓力は「A++」だった。
 一般社員の労働時間の短さが際立っており、ワークライフバランスの評価項目が高いスコアとなった。男性社員が育休を取得しやすい環境を積極的に整え、フレックスタイム制を利用する社員比率も高いなど、多様で柔軟な働き方も進んでいる。管理職だけでなく、社内取締役にも女性や外国人を複数人登用し、ダイバーシティの推進についても高評価を得た。

ダイキン工業株式会社

日経Smart Work大賞2021 イノベーション力部門

(授賞理由)
 総合ランキングは最高ランクとなる5つ星(偏差値70以上)を獲得した。評価軸となる3部門は「イノベーション力」と「市場開拓力」が最高水準の「S++」、「人材活用力」は「S+」。とりわけイノベーション力部門は各評価項目で極めて高いスコアを得て、一昨年に続いて2回目の同部門授賞となった。
 東京大学と結んでいる「産学協創協定」のもと研究者や技術者などの幅広い交流を積極的に進めているほか、他社と共同で次世代オフィス開発のための拠点を設けるなど、社外との連携によるオープンイノベーションを加速している。新事業の提案や特許出願に対する報奨金も多く支払われ、研究開発部門のモチベーション向上策も熱心。フェロー職についている人材も多く、イノベーションを生み出す環境整備が高く評価された。

楽天株式会社

日経Smart Work大賞2021 市場開拓力部門

(授賞理由)
 総合ランキングは4つ星半(偏差値65以上70未満)と、前回調査の4つ星(偏差値60以上65未満)からランクアップ。評価軸のなかで「市場開拓力」部門では最高水準の「S++」を獲得した。ブランド力の高さやテクノロジーを活用した市場開拓力が評価され、同部門の授賞が決まった。人材活用力は「A+」、イノベーション力は「S+」。
 楽天に登録する1億件以上のIDとユーザーの購買履歴などの顧客データをAI(人工知能)で高度に分析したマーケティングを活用し、効果的な顧客獲得に結び付けている。広告展開によるPR力に優れて認知度が高く、アプリやSNSの活用も進んでいる。消費者やビジネスパーソンからのブランド評価も高い。

ソフトバンク株式会社

日経Smart Work大賞2021 テクノロジー活用部門

(授賞理由)
 総合ランキングは最高ランクとなる5つ星(偏差値70以上)を獲得。評価軸となる3部門「人材活用力」「イノベーション力」「市場開拓力」はいずれも最高水準の「S++」だった。とりわけAIやRPAなどの先端技術を活用した業務の効率化やキャッシュレス決済サービスの展開などが評価され、テクノロジー活用部門の授賞が決まった。
 新卒採用の選考にAIを積極的に活用。エントリーシート評価や動画面接で自動化を進め、選考業務時間を大幅に削減した。顧客からの電話は会話内容を自動でテキスト化してすぐに社内共有することで顧客対応力を向上。RPA導入で稟議書作成の手間などを省力化した。スマホ決済サービス「PayPay」など、テクノロジーを活用したサービス展開なども授賞の要因となった。

サントリーホールディングス株式会社

日経Smart Work大賞2021 殿堂入り

(選定理由)
 サントリーホールディングスは本賞の第2回、第3回の「日経スマートワーク大賞」を連続受賞し、第4回となる今年も最高評価となった。この実績に対し、今年から各賞とは別格となる連続受賞企業のみが入ることができる「日経スマートワーク殿堂」を新設し、「殿堂入り企業」第1号として選出した。

ページトップへ